Make Shopping Great Again

そもそもショッピングの形跡は紀元前7000年前から確認されており、その役割は現在に至るまで何度も変化してきた。例えば古代ギリシャのアゴラでは言論の場となり、パリ万国博覧会では世界への戸口となり、アメリカの巨大なショッピングモールではエンターテイメントの演出装置となった。これらを可能にしたのは、大きなガラスの天井やエスカレーター、エアコンといった建築技術であるということに疑いは無いだろう。しかし、20世紀終わりから台頭してきたネットショッピングは、それらのショッピング空間の歴史を脅かしており、旧市街の商業エリアはおろか最新の建物タイプであるショッピングセンターすら無用にする成長を見せている。 これらの購買空間は、その空間的特徴を活かし、オンラインショッピングとの共存の道をとらなければならなくなるだろう。近い未来、受給予測技術と配送網の発達により、ショッピングモールは倉庫としての役割を無くし、いわば巨大な空調された箱となる。在庫を抱えなくてもよくなれば旧市街における小規模店舗にも利があるわけで、ウィンドウショッピングは再び人々を魅了するかもしれない。

気候は実空間での購買動向に大きな影響を及ぼす。高緯度国家における屋外のパブリックスペースの利用度は季節により極端に増減する。これは、2つのセンターが、その対極的な気候的特徴により協力することができることを示す。例えば、夏には旧市街の屋外のマーケットが機能している間、ショッピングセンターは屋内農業などの他のテナントへ季節貸しを行い、冬にはショッピングセンターがパブリックスペースとして機能する間シティセンターは電車の都市間ネットワークを活かしてオフィスなどのテナントへ季節貸しを行うという具合だ。
このとき各インフラと連携する2つの商業空間、旧市街とショッピングセンターは、ローカルな生産者とローカルな消費者をつなぐプラットフォーム(Match Maker)のような存在となる。我々が地域計画として提案するのはこのような、2つの核による都市、「 bi-Central City」である。これをセドリックプライスによる“The City as an Egg”になぞらえて説明するならば、2つの主役が共存するベーコンエッグに例えられるだろう。

都市近郊に集約された農地の生産品は単一から多品目へと移行し、高速道路はローカルなスケールでの物流を担うようになる。グローバルスケール、都市間の物流には鉄道ネットワークを再び利用する。一様に農地が広がっていた周辺地域は中心からの距離と地形に応じて農地と自然のグラデーションパターンを示し、地域と生態系の共益的な関係が再構築される。

現在のショッピングセンター周辺地域にはBig Boxと呼ばれる非人間的なスケールの産業施設が立ち並ぶ。緑地帯と散策路、路地とポケットパークを挿入し、人間と生態系のための都市組織へと移行する。

ショッピングモールの改修。オンラインショッピングとの連携により、ショッピングモールは在庫を持たない空間となり、人々は多くの商品を運ぶために車を使う必要性が減少する。周辺には、データセンター、ワークショップ、幼稚園、高齢者活動センターといった新しい建物をショッピングセンターの西側は商店街の一部となる。データセンターはショッピングモールの屋根上の太陽光パネルでまかなわれ、廃熱はこのエリアの地域暖房熱源として利用される。ショッピングモール内部は文化プログラム、ワークショップ、感覚刺激室のコレクションなど、固定されたエリアもあれば、柔軟な利用が可能なエリアへと変貌する。 1年を通したプログラムの変化によってbi-central cityは活性化する。夏には、柔軟な利用が可能なスペースは水耕栽培場へと姿を変え、冬には人々が商品を見て試したりアプリを通して注文したりできるショールーム展示スペースが設けられます、フードトラックゾーンでは時期によって生産者のラインナップが入れ替わり新鮮なローカルフードを味わえる。巨大な閉じたヴォリュームは、ガラス、緑を映し出す鏡、穴を穿つ行為によってヒューマンスケールな都市空間へと解体される。

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